資料室便り

松川記念集会2009と松川資料室

 もはや旧聞に属するが、松川事件発生60周年記念全国集会が、2009年10月17~18日に福島大学で開催され、延べ2000人が参加した。「これが最後の記念集会になるかも知れない」といわれた50周年集会(1999年8月21~22日、福島市飯坂温泉)の参加者が1000人だったのに比べても、60周年集会ははるかに大きな盛り上がりをみせた。
 大盛況の要因は、「松川の教訓を活かし、次世代に伝えよう!」という集会スローガンに示された参加者のあつい思いが結集したこと、会場が事件現場に程近い福島大学であり、そこに設置されている松川資料室への関心が高まっていたことであった。集会は盛り沢山のプログラムが用意され、その忙しい日程を遣り繰りして700人ほどが資料室の見学に訪れた。
 集会の冒頭、主催者を代表して開会挨拶を行った集会実行委員会の大学一委員長(NPO法人 福島県松川運動記念会理事長)と、歓迎挨拶に立った福島大学の今野順夫(としお)学長が、そろって松川事件の歴史的・今日的意義を強調し、松川資料室の意義・役割を力説した。
 
(写真)開会挨拶を行う大学一委員長
 
 そして集会初日の最後には、法政大学大原社会問題研究所(大原社研)の五十嵐仁(じん)所長がわざわざ出席して、力強いご挨拶を頂いた。大原社研が所蔵する松川関係資料は、1970年に松川裁判が終結したのを機会に、松対協(支援運動の中核)と東京合同法律事務所(弁護活動の中核)が寄託した資料が中心となっている。
 …当研究所(大原社研のこと)の資料とは異なって、福島大学松川資料室によって収集・保存されている松川関係資料は、松川運動の力によって探索され、収集されたものであり、資料収集自体が一つの運動であったと言うべきでしょう。このようなかたちで収集された福島大学松川資料室の資料は、当研究所所蔵の資料と双璧をなすものであり、互いに補い合うものであると思います。今後とも力を合わせて、松川事件の風化を防ぐとともに、その真相を伝え、二度と再び、このようないまわしい事件が起きないよう、基本的人権と民主主義が守られる社会の実現のために力を尽くす所存でございます。
 大学法人化によって福島大学も財政的・人的に困難な条件を抱えているようですが、引き続き資料の収集と保存に尽力されることを、関係者の一人として強く望みたいと思います。
  また、集会2日目の最後に採択さたた集会アピールも、松川資料室について次のように述べている。
  …松川事件の闘いは、いまなお生きており、いまなお続いています。
  福島大学では、松川事件関係資料10万余点を所蔵し研究している「福島大学松川資料室」があります。この資料室は松川事件と運動を、正確に次世代につなぐ、確実な保証であります。わたしたちは、この福島大学に集えたことを心からよろこぶものです。
 このように、松川資料室の存在は、当の福島大学が自覚する以上の重みを持つものとなっており、かくして資料室では、世論の期待を担ってギリギリの努力を続けている。       
                                                  (2011年9月14日 伊部正之)