国立大学法人福島大学

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松川事件研究所とは・・・


本学収蔵の松川事件関連の資料価値は、全国的に見ても高い水準にある。この資料を利用した研究も学内外ともに研究水準の向上に役立ってきている。今 後もこのような体制を維持・発展することは、本学の使命の一つである。戦後の内外の、特に日本と米国の公文書資料は、松川事件の真相解明にとって不可欠で ある。他方で、事件発生から60年が経過する中で、関係者の多くが他界されていっており、証言などの収集も急がなくてはならない。また、貴重だが未公刊の 資料も多くある。

本研究では、伊部正之研究員(福島大学名誉教授)が遂行してきた資料の収集・整理・公開・利用というこれまでの資料室の事業を引き続き行うとともに、事件の背景と実相、松川裁判、松川救援運動、それに出版・報道などマスコミの論調などについて、多面的・総合的に取り組む。

従来の研究は、それぞれにバランスのとれた好著が多いが、やや概説的な傾向は否めない。本研究所では、テーマを絞り込んでさらなる分析の深化を図るとともに、それらを総合的に把握することを基調とすることで、研究水準のアップに寄与したいと考えている。

考究の余地が大きいテーマとしては、たとえば戦後の占領下での再版原始的蓄積政策と事件との関連、新旧刑事訴訟法の比較、判決内容の分析、趣意書等 の分析、初期文化人の救援運動での役割などが挙げられる。また、冤罪・誤判の実態と原因の分析、裁判員制度の実施、刑事司法改革、さらには司法官僚制度な ど、最近の刑事事件に係る事例を挙げただけでも、「松川」から学ぶべきものは少なくない。むしろ、「松川」の意義は大きくなりつつある、といえる。

本研究所のメンバーの多くは、これまで直接「松川事件」を素材にした研究業績は持っていないが、事件そのものについての関心は強い。これまでの各自 の研究の蓄積を生かして「松川」の素材に取り組むことによって、新しい視角からの事件分析が可能となる。メンバーの専門的考察を持ち寄り相互に検討するこ とによって学際的な研究を行い、それによって総合的な松川事件像を構築することが本研究の目標である。さらには、この研究は、日本にとどまらず世界的規模 での同質の事件に対しても一定の意義を持ちうるであろう。